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あかね雲 〜生きる意味〜
不思議な世界行ったり来たり???
大入道が来た4
どう考えても良い考えが思い浮かばず、
村人たちは内山観音に行って観音さんに問い掛けた。

「観音様、小さい観音様はなぜお帰りにならないのですか?
 どうしたら、帰っていただけるのですか?」

村人たちの問い掛けに、観音さんは私の曾祖母を通じて答えた。

『迎えに行く人間がちがう。本来守るべき人間が迎えに行くが良い。』

村人たちの間では、誰が守るべき人間なのかが話題になった。
お寺で小さい観音像の由来を聞くことになった。
お坊さんは記憶を手繰り、古い古い資料を蔵から取り出し読み解いていく。
そこで出てきたのが、母の実家の名前だった。
母の実家には、家系図が伝わっている。
長いこと開いたこともなかった家計図が、開かれた。
継ぎ足されてきた家系図には、
京都から内山へ供をしてきた先祖のことが書かれており、
そこに守り本尊として小さい観音像を持ってきたことも記されている。

後に家系から坊さんになった人が出ており、
どうやら、この人の縁で小さい観音像は内山観音に納められたようだ。
 
驚いたのは、母の実家の人々だった。
しかし、それと分かった以上は、
母の実家の誰かが観音像を迎えに行かなければならない。

「ワシがこの家の家長じゃ。ワシがお迎えに行ってくる。」

そう言い出したのは、もう老人となったいた曾祖母の父だった。
皆は心配したが、父は頑として聞かずひとりで道具やに出掛けて行った。

道具やでお厨子を開け小さい観音像を手にした父は、
それとは知らないままに疎遠にしていたことを詫び、
一緒に内山に帰ってほしいと懇願した。
丁寧に厨子に観音像を納めた父は、祈りを込めて厨子を背負った。

「なんと・・・ありがたい! 軽いぞ! これならワシでも持ち帰れる!」

若者が数人かかっても持ち上がらなかったお厨子は、今は軽々と父の背にある。
父はお厨子を背負いながら、観音像に語りかけた。

「観音様、ワシがお迎えに来られたのは本当に嬉しいことだ。
 ワシの家系の守り本尊であったことを知らされ、
 本当にありがたいことだとも思い、
 また本当に申し訳ないことだとも思った。
 また我が家の守り本尊としてお迎えしたいのは山々だが、
 もう長いこと観音様は村人たちの心の支えになっている。
 今更、我が家だけの守り本尊になっていただくわけには、いかない。
 また内山観音にお納めしたいのだが、良いだろうか。
 観音様が我が家の守り本尊だと言うことは、代々に語り継いでいく。」

父の語りかけに答えるように、背中のお厨子は尚更に軽くなり、父は
「ありがたい!」
を繰り返しながら、内山に帰ってきた。

「ねぇ、私のご先祖が迎えに行った時だけ軽くなるなんて、
 大入道と関係あるんじゃない?」

『姉さん、分かったか。 実はそうなんだ。』

大入道は首をすくめながらうなづく、やはりねぇ・・・。

小さい観音像は、本来の目的を私の先祖に知らせたかったようだ。
観音さんはその意を受けて、大入道に手伝わせた。
他の者が迎えに行けば大入道はお厨子に上に載り、ビクとも動かないようにした。
曾祖母の父の時にはお厨子を持ち上げ、軽々と背負えるようにしたのだ。

曾祖母も、その父も、母も知らなかったお厨子の隠された話しを、
私は大入道から聞くことができた。
私は大入道に、改めてお茶を出した。


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この記事に対するコメント

今回もこころ温まるお話 ありがとうございます
読み終えたあと にこりと微笑んでる自分がいました
【2008/10/09 11:30】 URL | silvermoon #- [ 編集]

silvermoonさん
ありがとうございます。
思いがけなく、家系に伝わることを知ることができました。
不思議な思いでした。
【2008/10/10 01:37】 URL | あかね雲 #- [ 編集]


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