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あかね雲 〜生きる意味〜
不思議な世界行ったり来たり???
イチイ 2
みつは年々背が伸びて幼い女の子から、少女へと変わっていく。
しかし、イチはなかなか背が伸びず、いつまでも可愛い女の子のままだ。
いつしかみつにとって、イチは友達から妹のような存在になっている。
可愛がり世話をやき、いろいろと自分が知ったことを教えている。

両親から聞いた話し、年に数度下りる里の話しなど、みつは自分の見聞きしたことや知ったことを、
全てイチに話して聞かせる。一生懸命に聞くイチの姿は、みつにとってこのうえなく嬉しいこと
であり、また一生懸命に話してくれるみつの姿は、イチにはとても嬉しいものだった。

ある日、みつが軽く投げ上げて遊んでいた手まりが、思ったよりも高く上がり、イチイの木の
枝に引っかかってしまった。下の方にある枝ではあったが、かなり背が伸びていたみつでも、
まだ手の届かない枝だった。

イチイの若木もみつの成長と同じように、スクスクと伸びて枝や葉を茂らせている。

みつは竹竿を持ってきて落とそうとするのだが、ちょうど木の枝にはまりこんだのか、思うよう
に動かすことができず落とせない。
木に登ろうとしても、手をかけるところがない。
幼い精霊であるイチには、実態のある手まりはまだ動かせない。

父親が帰ってくるのを待って取ってもらおうと、みつとイチは離れたところから枝にある
手まりを眺めている。手まりはみつの手元に届いてから数年がたっているが、とても大切に
遊んでいるから、手まりはまだ綺麗な光沢を残したままだった。

みつの様子に気付いた母親も手まりを取ろうとしたが、やはり手が届かない。
竹竿を使っても落とせない。
結局は諦めて、父親の帰りを待つことにした。

日が傾き始め、手まりの白い糸のところが輝くように見えた、その瞬間大きな羽音が
したと思うと、一羽の大ガラスが手まりをさらおうと枝に止まっていた。
光るものを好むカラスの目に、白い糸は魅力的に映ったのだろうか。

くちばしで手まりを動かすと足で掴み、舞い上がろうとする。

驚いたみつは大声をあげて、カラスを追い払おうとした。
みつの大声にひるんだのか、カラスは大急ぎで手まりをつかむと大きく羽ばたいている。
みつの大声に母親も飛び出し、一緒になってカラスを追い払おうとした。

とうとう、手まりを掴んだカラスが枝から飛び立った。
みつは叫び声をあげながら、カラスを追いかけた。
上だけを見ていたみつは、足元にある大き目の石に気付かなかった。
石に足をひっかけたみつは、そのまま前のめりに倒れこんだ。
倒れたみつの頭は、そこにあった大きな石に打ち付けられた。
母親の悲鳴が聞こえる・・・山に響く・・・イチは知った。



『イチイの木が、枯れそうになっていた。 
 でもな、姉さん。イチは何とか持ちこたえたよ。
 みつの父親と母親が、イチイの木の前でみつの思い出話をしてくれたんだ。
 みつが大好きで、いつも遊んでいたイチイの木は、両親にとってはみつの思い出そのもの
 だったんだろうな。両親の思いを受け取って、イチは両親が亡くなるまで持ちこたえた。
 でも、それまでだったんだ。みつの住んでいた家が朽ちるように、イチイの木も朽ちたよ。
 手まりは天狗がカラスから取り戻してくれた。』

一つ目ちゃんは、私の手のひらにそっと手まりを乗せた。
私の手の上で、手まりの糸はポロポロとほどけていく。
ほどけて小さな山になった手まりの糸に、私はフッと息を吹きかけた。
糸はたちまち消えてしまった。

今は、みつもイチも手まりもない。

『姉さん、この話を誰かが覚えておいてくれるかな。』

うんうん、と私は頷くばかりだった。


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

9月2日 神戸で行われるスピコンに出展します。

私は霊視相談「あかね雲」で出展します。


仲間たちは「タマラ・ヒーリング」で出展します。

愛を与え受け取り、心と身体の癒しを促し、希望や目標を達成するサポートになるエネルギー。
人としての成長を促し、人生の大きなサポートとなるタマラ・ヒーリングのエネルギーを
体験してください。

皆様のご来場を、お待ちしています。


スピコンのホームページは、こちらです。

http://kobe.spicon.org/




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この記事に対するコメント

このお話、みつちゃんもイチイの木も、
生まれる前から決めていた運命なのでしょうか。
読んでいる途中から余りにも悲しくて、涙がポロポロこぼれ落ちました。
一つ目ちゃんに、私はこの話が心に残りました、と伝えて下さい。
河童ちゃんのお話に続く、記憶に残るお話になりました。
【2007/08/30 01:05】 URL | yumiko #- [ 編集]

yukiwoさん
みつの寿命は決めていたことだと思います。
イチとのことは、みつの能力としてのことだったのかもしれません。
イチイの木は、見えない世界のことゆえ、どうだったのでしょうね。
イチの思いだったのかもしれません。

人の寿命は自分で決めてきていること、その中でどのように選択をするのか、
自分が一番後悔をしない生き方をしたいと、私は思っています。

一つ目ちゃんに伝えておきます。
yukiwoさん、ありがとうございます。
【2007/08/30 01:41】 URL | あかね雲 #- [ 編集]


わたしが覚えてる。忘れません。
そう、思いました……
【2007/08/30 03:22】 URL | nene #8.HAbWks [ 編集]

neneさん
ありがとうございます。
妖怪たちは人間が覚えておいてくれること、知ってくれることを、望んでいます。
どうぞ、覚えておいてくださいね。
【2007/08/30 07:43】 URL | あかね雲 #- [ 編集]


泣けました。私もこのお話絶対忘れません。

今日は息子がお金を忘れていってしまいました。
それに気づいて電話したのですが携帯に出ない・・
すると息子からかかってきました。
お金忘れているけど大丈夫?
うーん、大丈夫じゃないけどなんとか大丈夫。
穏やかな声で答えてくれました。
いつもなら「うるせーな!掛けてくんじゃねーよ!」で電話を切っていると思います。
カリカリ苛々の中で穏やかな言葉が一言でもあったのは進歩です。
こんな小さなことですが、私は嬉しいです。
頑張ります。
息子とあかね雲パワーを信じて。
今日も生かされていることに感謝して精一杯頑張ります。
いつも温かいメッセージありがとうございます。
感謝します。
【2007/08/30 08:42】 URL | きん #- [ 編集]


私も覚えておきます。両親がなくなるまでがんばったんだね…
【2007/08/30 08:47】 URL | みよ #- [ 編集]


なんてやさしい話しなのでしょう。涙が自然に出てきてしまいました。
【2007/08/30 09:58】 URL | おばー #- [ 編集]

きんさん
きんさんも、覚えておいてくださるのですね、ありがとうございます。

息子さんに、お母さんの心遣いが伝わったのでしょうね(^^)
「大丈夫!」続けましょう!
1日から9日まで留守にしますが、よかったら、リンクのところにある「タマラ」を
クリックしてください。私のホームページです。
最初のページが、エネルギー場になっています。
画面を出してエネルギーを受け取りながら、息子さんを思い浮かべて「大丈夫!」を
伝え続けてください。
タマラのエネルギーは、人間の思いや祈りが叶うようにサポートをするエネルギーです。
私が留守でもエネルギーは存在しています。
まずは、使ってみてくださいね! 

【2007/08/30 17:50】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

みよさん
イチの思いが強かったのでしょうね。
覚えておいてくださるとのこと、ありがとうございます。
【2007/08/30 17:51】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

おばーさん
私も一つ目ちゃんから送られてくるビジョンを視ながら、胸が詰まりました。
イチの最期を、一つ目ちゃんは見届けたようです。
【2007/08/30 17:53】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

yumikoさん
ごめんなさい。お名前を間違っていました。
yumikoさんでしたね。
yukiwoさんになっていました。
本当にごめんなさい。

懲りずに、またコメントを書いてくださいね。
老眼鏡をかけることにします(--;
【2007/08/31 00:48】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

二人は今は幸せ…
みつとイチ。三と一、その間にあるのは、二。ふたつ、つまり「対」。これには「応える」という意味もあるようです。

みつとイチは、お互いに対等の関係でこの世を去りたかったのではないでしょうか。だからイチは精一杯応えてみせた。それは、向こうへ帰ったときに同じエリアの中で今度は真の友達として一緒に過ごせるから、ではないかなと思いました。

高山に一位一刀彫という工芸品がありますが、いろいろな作品の中でも仏像彫刻を見ると何か温かいイメージを感じます。イチちゃんの思いが私たち人間に何かを語りかけているのかも知れませんね。

あかね雲さん、本当にいいお話をありがとうございました。私も、この話は決して忘れません。
【2007/08/31 11:06】 URL | 二代目勤勉亭親不孝 #- [ 編集]

二代目勤勉亭親不孝 さん
コメントをありがとうございました。
みつの思いも、イチの思いも、お互いを大切に思えばこそですね。
それは人間にも言えることと、この文を書きながら感じていました。

【2007/08/31 18:46】 URL | あかね雲 #- [ 編集]


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