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あかね雲 〜生きる意味〜
不思議な世界行ったり来たり???
ババの思い出 1
ババの死を知らせに来たワラシは、私の家事が済むまでじっと待っていた。

家事が済んでソファに座ると、私に向かい合ってワラシは話し始めた。


『今の姉さんは、ババのことで何か覚えていることはあるの?』

「ごめんね、今の私は覚えていない。」

『でも、さっき泣いていたでしょう?』

「うん、今の私は何も分からないし、知らないけれど涙が出たよ。」

ワラシは軽く頷いて言った。

『うん、それでいいよ。
 ババはそれでいいと言うよ。』

「ババは私がここに生まれていることを、知っていたのでしょう。」

『知っていたよ。
 姉さんは知らないだろうけれど、姉さんが赤ちゃんで生まれた時に、
 妖怪の世界にもおふれが回ったよ。
 日本中の妖怪たちは、姉さんの生まれた場所と名前を知らされたよ。
 そして、やがて姉さんと会う日の為に、準備が進められていたの。』

私は胸が詰まった、私の知らないところで何かが確実に動いていたことを知った。
カマイタチのカクとヤが私の所に来たのも、そういう経過があってのことだった。

『ババはそれを聞いて、とても喜んでいた。姉さんに会いたいと言っていた。
 ババが話す時は、姉さんではなくて、ババと会ったときの名前で呼んでいたよ。』

私の名前? 前世での私の名前・・・何だったのだろう。
私の思いを読んだのか、ワラシは少し迷っていたようだが、教えてくれた。

『ツヤ・・・と呼んでいた。』

ツヤ・・・その名前は、私の中に思いがけない力を持って広がってきた。
一気に押し寄せるものがあった。

私には年長の従姉妹がいる。
母方の従姉妹で、とても私を可愛がってくれており、私も慕っている従姉妹。
その名前が「艶子」私は「ツヤねぇ」と呼んでいる。

漢字で艶子なのだが、私にとっては「ツヤコ」なのだ。

子供の頃の私は、ただ名前が呼びたくて「ツヤねぇ、ツヤねぇ」と連呼しては笑われていた。
私は「ツヤ」と言う響きが好きだったのかもしれない。


『姉さんの所に行ったものたちから姉さんの話を聞くのを、ババはとても喜んでいた。
 ツヤがそう言ったのか? ツヤがそうしてくれたのか? ツヤの身体は大丈夫か?
 でも、ババは自分では ツヤ と言いながら、他のものたちには決して ツヤ とは
 呼ばせなかったよ。せいぜい長が ツヤ と呼ぶのを許していただけよ。』

思い出したのか、ワラシの顔には笑いが浮かんでいる。





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この記事に対するコメント

タルコさんのプログを読んでいると
暖かいものが胸いっぱいに広がっていきます。
 いつか 前世での妖怪達との係わり合いが 明らかになる日が来るのでしょうか?

 早く続きが読みたいです。
【2007/08/05 01:54】 URL | かんなん #- [ 編集]


はじめまして・・・

今日の文。。。

なんでしょう・・・胸が詰まってきました。

うっすらとですが・・・記憶にあるのか・・?

切ない気持ちになりました。

ありがとうございました。

また・・来させていただきます。
【2007/08/05 10:24】 URL | 撞(つき) #- [ 編集]

かんなんさん
私もまだ知らないこと、覚えていないことがたくさんあります。
一緒に楽しんでくださいね。
【2007/08/07 02:52】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

撞(つき)さん
ぜひ、またお立ち寄りください。
【2007/08/07 02:53】 URL | あかね雲 #- [ 編集]


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