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あかね雲 〜生きる意味〜
不思議な世界行ったり来たり???
「邪馬台国のチサとオト」 知られていない物語 2
2話

やがて兵士が建物から出てくると、男を手招きする。
男はまっすぐ建物に向けて歩きだす。
村人たちも後を追うように歩きだすが、建物に入る前に兵士に止められた。

「お前たちはここまでだ。卑弥呼様はこの男に会われるそうだ。」
「大丈夫なのか? 知らないよその男だぞ。」
「大丈夫だ。卑弥呼様が自ら会うと言われたのだ。」
「そうか、それなら大丈夫だな。」

兵士と村人たちの声を背中に聞きながら、男は建物の中に入って行く。
明るい日差しの外から入ると建物の中はやや薄暗い、男は目をしばたたかせて目を慣らしている。

「入りなさい。」
思いがけず深みのある声が聞こえて来た。
男は一瞬 身震いをすると頭を下げた。
部屋の中には数人の男女が座っている。
そのまま身を低くして男は中に入り、ひとりの女性の前に座り、深いお辞儀をする。

「魏の国から来たと言ったな?」
女性から少し下がった所に座っている年寄りが声をかけてきた。
「はい、わたし ぎのくにからきました。」
「何の用があって来たのだ?」
「ひみこさまにあうために、わたし、きました。」

頭を下げたままの男を、じっと見ていた女性が声をかけてきた。
「私が卑弥呼だ。私に会うために来たと言うのか?」
深みのある声の持ち主こそ、卑弥呼その人だった。
男は誰にも聞かず、それでも間違えることなく卑弥呼の前に座っていた。

「顔を上げなさい。そのままでは話ができない。」
卑弥呼の声に男はそっと頭を上げて、威儀を正した。
「名前を教えてほしい。」
「オトです。」
「オトと言うのか、言葉はわかるのか?」
「すこしだけ・・・おぼえます。」
「オトは私に会ってどうしようと言うのだ?」
「おしえてください。」
「何を教えてほしいのだ?」
「たくさんのこと おしえてください。」

卑弥呼は遠くを視るような目でオトを視ていたが、何事か合点したように密かに頷いた。


「誰か・・・オトに水をやりなさい。」
「はい。」離れたところで小さな声がした。

やがてしのびやかな足音と共に、ひとりの若い女性が水をささげてオトの前に座った。


「遠い所をよくおいでなさいました。」
優しい声にオトは若い女の方を向いた。
若い女もオトに目を向けた。お互いにまっすぐに目を見つめ合った瞬間だ。

「オト、私の妹のチサだ。
 チサ、この男は魏の国から来たオトだ。
 しばらくここに滞在をする。ここに慣れるまで何かと不便だろう。
 お前が身の回りの世話をしてあげなさい。」

卑弥呼の言葉に、チサは「はい。」と素直に応えている。

「オト、お前が来た理由が分かった。
 お前の望むところ全てを教えよう。
 まずは言葉を覚えなさい。細かな言葉が分からなければ術は教えられない。
 チサ、身の回りの世話をしながら、お前の言葉を教えなさい。
 お前の言葉を知ったなら、術はすぐに身につけられよう。」

卑弥呼の不思議な言葉の意味を理解しているのは、チサとほんの数人にしかすぎない。


オトの邪馬台国での生活が始まった。


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【2010/10/23 23:03】 | # [ 編集]


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