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あかね雲 〜生きる意味〜
不思議な世界行ったり来たり???
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子供を守るために。
『姉さん、オレたち妖怪のことを、魔物だと思っている人間がいるな。』
「そうね、妖怪と魔物を混同している人たちもいるし、残念ながらそのように書いている
 本もあるからね。自分に分からないことだと、本に書いてあれば信じる人もいる。」

『姉さん、オレたちのことを人間に知らせてくれよ。』
「もちろんよ! そのためにもこうして話を聞いているんだもの。
 皆のことを、あかね雲に書くからね!」

『オレたちのことが見えなくてもいいから、本当のことを知ってほしいな。』
「皆のこと、妖怪のことを知りたいと思っている人たちも、きっとたくさん居ると思う。
 だから私が伝えていくね! 私も皆から話を聞きたい!」


我が家を訪れる妖怪たちは、花壇の手入れのあと私に話をしてくれる。



昔のこと・・・村里から離れた山の中に、満々と水をたたえた深い沼があった。
沼のあることは村人全員が知っていたが、お祖父さんのお祖父さんの曾祖父さんの頃から
「沼には近付くな、怖ろしいことがおこる」
という言い伝えがあり、それを守って沼に近付く村人はいなかった。

川の水が細るほどの猛暑の夏、暑さに耐え兼ねた子供たちは、水が少なくなり遊べなく
なった川から、沼に遊びに行こうと相談を始めた。

大人たちから沼に行くことは禁じられていたが、水遊びをしたい子供たちの気持ちが勝った。
明日行こうと相談がまとまった。
一緒に遊んでいて相談を聞いていたワラシは心配になり、子供たちと別れたあとで長に話した。

人間たちは気付いていないが沼には魔物が住んでいる。
魔物は迷い込んだ人間を水に誘い込み、溺れさせては魂を喰らっていた。

長は皆と相談を重ねた。
妖怪と遊ぶ子供はいるし声を聞ける大人もいるけれど、妖怪たちが自ら姿をみせなければ
わからないものたちが多い。大人たちの夢に働きかけて、子供が沼に行くことを止めさせ
ようとの意見も出た。夢によって気付き、沼に行かないように言い聞かせる親がいれば
良いのだが、はたしてうまくいくかどうか・・・。
相談を重ねた結果、沼の近くで子供を脅かすのが1番効果があるとの結論に達した。

さて・・・誰が脅かす役目をするのか・・・。

『誰がどうやって脅かすのが良いのか。
 誰かやろうとするものはいないのか?』

長の言葉に、皆は黙り込んでしまった。

妖怪たちは、人間が好きだ。
ワラシたちはなおさらのこと、人間の子供と遊ぶのを楽しみにしている。
心優しい妖怪は、脅かすことさえ思いつかない。
臆病なものは、話しだけで震えている。

妖怪として、誰なら人間が恐がるのだろう。
誰も考えたくなかった、恐がられたくなかった。
でも、でも・・・子供を沼に近づけてはならなかった。

沼だよな・・・水だよな・・・水なら・・・水なら・・・。
集まっている皆の目が、ひとりのところで止まっている。

『オラか? オラ・・やだ! いやだ!!!』

彼の悲痛な叫びに、ひとりひとりとその場を立ち去っていく。

『オラなのか? オラも人間と遊びたい。
 人間を脅かすのなんて嫌だ! オラも人間が好きだ! 恐いと思われたくない!』

長は静かに言った。

『無理にとは言わぬよ。
 人間のことだ、ワシらがそこまでしなくても良いかもしれん。』


翌日の昼過ぎ、暑いさかりに子供たちはとうとう沼に近付いてきた。
コワイと思いながらもそれがいつしか好奇心になっている。
中にはまるで肝試しのように言う子供もいる。
ワイワイと騒ぎ立てながら、沼に向かって走り出した。

その時・・・緑色の大きなものが奇妙な声をあげながら、子供たちに向かってきた。

「ギャー! で・で・出たー!!!」
「カ・カッパだぞー! 逃げろーーー!」
「喰われるぞー!、早くにげろー!」

子供たちは我先に山道を駆け下りた。

カッパは、沼の側で涙を流しながら座り込んでいた。
それ以後、このカッパは村の川に近付くこともなく、子供たちと遊ぶこともなかった。
仏は、そんなカッパをそっと包んでいた。


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この記事に対するコメント

こどもたちを守るために、
自分が悪役のフリをして、
それによってこどもたちと遊べなくなるのに、
守ってくれたカッパさん。

この話を知っていたら、
こどもたちも大人たちも、
すごくカッパさんに感謝します。

ぅちは全然当事者じゃなぃのに、
「カッパさんありがとう」ってすごく思いました。
【2007/05/23 01:55】 URL | あやか #- [ 編集]

こんばんは。
最後で泣いちゃった…(ノ_<。)

人間の世界でも、誰かが嫌われ役をやらなければ、相手の為にならなぃ…とかってありますもんね。
みんな 自分は嫌われたくなぃとか いぃ人で居たいとか、思ってる人多いし(^^ゞ

このカッパくんの話とはケースが違いますが、、(^_^;)

勇気がいりますよね。
カッパくん、悲しかったでしょう…
ツラかったでしょう…
そんな気持ちを考えると、涙が止まりません(T^T)
【2007/05/23 02:43】 URL | ろしあん #- [ 編集]


沼、脅かす・・・もしやと思ったけど・・・。
うちにおいでっていいたい気持ち。
【2007/05/23 05:47】 URL | DECO #- [ 編集]

え~~ん
涙が出ました。

かっぱさんありがとう。

かっぱさんと遊びたいです。子供じゃないけど、遊んでくれるかな・・・^^;

【2007/05/23 06:10】 URL | mayumin #- [ 編集]

おはようございます
あかね雲さんのブログを拝見するにつれ
私が今まで持っていた妖怪に対する偏見が変わっていきます。

日本の妖怪と呼ばれる存在は
西洋の妖精のように、愛おしむ存在として伝わらなかったのでしょうか。。
とても残念で不思議です。

妖怪達は、優しくて愛に溢れてるんですね
読んでいて可哀想で切なくなってしまいました。。
そして、もっと妖怪の事を知りたくなりました。
【2007/05/23 06:28】 URL | 苺 #3/2tU3w2 [ 編集]

送信してから
あらためて・・・それが本当の思いやりなんですよね。

まだまだ出来てないなぁ。

【2007/05/23 06:58】 URL | mayumin #- [ 編集]

あやかさん
妖怪が魔物のふりをしても子供たちを守った・・・他にもありそうなのです。
それと知らない人間たちが、妖怪と魔物を混同したのでしょうね。
昔から、人間たちの知らないところで随分と助けられ、守られているように思います。
【2007/05/23 07:47】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

ろしあんさん
長に選択を任されたカッパ・・・。
結局は人間の子供を守る方を選びました。
本当の辛さを仏が包んでくれたのが、せめてもの救いかと思います。
【2007/05/23 07:51】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

DECOさん
いつか、そう伝えられたら・・・。
【2007/05/23 07:51】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

mayuminさん
カッパと遊べる心・・・なのかもしれません。
【2007/05/23 07:53】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

苺さん
それぞれの風土や宗教や生活の中で、見えない世界のものたちの在り方が変わります。
そもそもの言葉「妖怪」・・・これからの想像も魔物との混同になり、本物が隠されてきた
のかもしれません。
これからも 妖怪たちのことを書いていきます。
ぜひ、お楽しみください、そして妖怪のことを知ってくださいね。
【2007/05/23 07:57】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

mayuminさん
カッパは、本当の思いやりの心を持っているということですね。
【2007/05/23 07:58】 URL | あかね雲 #- [ 編集]


涙が出ました・・・。カッパさんの背中をそっと抱いてあげたいです。
今でもカッパさんはひっそりと・・・・なのでしょうか・・・

実は中3の長女が今夏、市の英語弁論大会に参加します。

取上げた題材は「日本の妖怪」です。

あかね雲さんのBlogを通して何かを感じたのでしょう。それを知って私も
嬉しく、一生懸命手伝いました。
なんとか入賞して、妖怪さんたちの本当の気持ちを少しでも一人でも多くの人に
伝えられたらと思います。

最後のしめくくりの文は、妖怪さんたちの存在を
「人間が忘れかけている本当の心の豊かさの意味を
気づかせてくれる存在なのではないだろうか」
でした。私もあかね雲さんのBlogを通して感じた妖怪さんたちを
そう思います。今の人間に足りないもの。
大昔、人間と妖怪さんたちが共存していたころの、
人間がもつ、本来あるべき心。取り戻したいですね。

作文の中に、ちょうど誰もが知りうるカッパさんや天狗さんの名を
挙げていました。そして今朝、このカッパさんの話。
なんともタイムリーな・・涙ででした。

長くなり申し訳ありあません。


【2007/05/23 08:27】 URL | KS #- [ 編集]

KSさん
娘さんが・・・そうですか、本当に嬉しいことです!
今日も晴天、妖怪たちが花壇の手入れに来ます。
KSさんのコメントを読み聞かせます。きっと喜ぶでしょう。
娘さんに心からの「ありがとうv-346」を、お伝えくださいね。
【2007/05/23 08:57】 URL | あかね雲 #- [ 編集]


昨日の夕方、息子が突然聞いてきました。
「お母さん、妖怪の中で一番残酷な妖怪知ってる?」
「かっぱなんだよ」と。
そういうテレビを見たのを思い出したようです。
私はわからないので、「そうかなぁ・・・」とだけ
答えました。あかね雲さんのお話しで
「妖怪は仲間」というのが頭に浮かんでいました。

このお話しで涙が出てきました。

これから息子に`本当のこと`を話します。
(開港記念日でお休みなんです☆)
【2007/05/23 11:48】 URL | 道 #- [ 編集]


人間の世界でも良くありえる事だと思います。
何だか胸一杯で、これだけ書くのが精一杯です。
【2007/05/23 11:59】 URL | かいくん #- [ 編集]

道さん
息子さんに話してくださるとの事、とても嬉しいことです。
妖怪たちの本当の姿を、たくさんの人たちに知ってほしいと思います。
息子さんの中で、妖怪たちへの思いが変わってもらえますように・・・。
【2007/05/23 12:24】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

かいくんさん
人間の世界だったら・・・やはり気付いてあげたいと思います。
ありがとうございます。
【2007/05/23 12:25】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

地元の昔話
私の地元の沼にも、河童の話が伝わっています。

河童は悪さをして人間につるし上げられるのですが、一人の女の子に助けられ、最後はその女の子を身を挺して助けるというお話でした。

もうひとつ、その沼にすんでいる河童は、迷い込んだ人間や、家畜を溺れさせて、食べてしまう、という話も残っています。

子供心に、どっちが本当の姿なんだろう、と疑問に思っていたのですが、
妖怪と魔物は違うのですね。片方は、河童の仕業じゃなかったのでしょう。
どうしても、見えないとわからない事がたくさんあって、たくさんの優しさを、誤解してしまうのはとても悲しいことです。
怖いところ、わからないものには近づかない、そんな風に身を守ってしまいます。

いつもいろいろなお話、ありがとうございます!v-22

【2007/05/23 12:40】 URL | ayumi #- [ 編集]


カッパさん、ずっと怖い存在だと思ってました。

ごめんなさい。

カッパさんの悲しい心を思うととても切ないです。

そして、人間の為にありがとう。
【2007/05/23 12:50】 URL | yukari #- [ 編集]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2007/05/23 13:19】 | # [ 編集]

ayumiさん
妖怪と魔物の見分けができていないので、仕方が無いことだったかもしれません。
本当の妖怪の温かさを知っていただければ、それが嬉しいことなのです。
怖いところ、恐いモノには近付かない・・・それも大切なことだと思います。
本物の闇は恐いモノですから・・・。
【2007/05/23 18:14】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

yukariさん
yukariさんのお気持は、妖怪たちに通じます。
これからも、楽しみに読んでくださいね。
【2007/05/23 18:16】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

NTさん
ホームページのメールフォームから、私宛にメールをくださいね。
よろしくお願いします。
【2007/05/23 18:16】 URL | あかね雲 #- [ 編集]


妖怪に対する認識が変わってきます。とても愛しい存在ですね。
自然そのものという気がします。
いちど、遊んでみたいなあ。
【2007/05/24 23:21】 URL | 功 #A3//m3MQ [ 編集]

あの・・
紹介していいかどうか解りませんが、
河童ちゃんや他沢山の妖怪さんを
とてもかわいがっている人達がいます。
本当かどうかはさておいて^^;

いつも読んでるブログなのですが、
妖怪さん達も喜んでもらえるといいなと思うのですが・・・

 ↓ ここのブログでは私も含めて皆、妖怪さんのファンと思います^^
http://plaza.rakuten.co.jp/nusari/

【2007/05/24 23:29】 URL | 瑠璃 #/02qLiNA [ 編集]

瑠璃さん
ご紹介をありがとうございました。
【2007/05/25 00:09】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

功さん
そうです。
妖怪の在り方は、自然そのものです(^^)
これからも、楽しんでくださいね♪
【2007/05/25 00:12】 URL | あかね雲 #- [ 編集]

こんにちは
妖怪達が人の傍で一生懸命なのを知って、
人よりも人の為に尽くしているのにと、心打たれました。
妖怪さんや精霊さん達は何かを介して行き来できるようなので
交流が出来たらいいなと、そんな期待も添えています。


 紹介しているHPの河童の中に、
原爆で連れ合いをなくした河童や、
守っていた人を目の前で切り殺された事で
絶望して人から離れてしまった河童達が居ます。
人間の身勝手さが悲しく思いました。
それでも人を守りたいとがんばっているのを読むと
自然の中で自然を愛して暮らしているのに
それが出来ない人間は
何て愚かでむごいんだろうと考えさせられました。

 昔の人はそれを知ってたかの様に
感謝で生きてこられたのではないかと思いました。
今のご時勢は心が貧困で乾ききってる様で、
さもしくなったりします。

河童ちゃんが一人で泣く事がない世の中になるといいなと思いました。


【2007/05/26 00:20】 URL | 瑠璃 #/02qLiNA [ 編集]

瑠璃さん
妖怪も精霊も何かを介して行き来をする、ということはありません。
何も介さなくても、妖怪も精霊も神仏も自らの意思と力で人間と交流が出来ます。
区別はエネルギー界と物質界という、人間で言う原子レベルの違いになります。
温かい心が薄くなっている現代、考えたいものですね。
【2007/05/26 08:51】 URL | あかね雲 #- [ 編集]


まちがった事を書いてしまって、失礼いたしました。

ほんの数行ですが、
見えない世界の事を教えてもらった事が初めてなので、
なんだかうれしく思いました^^
【2007/05/26 23:28】 URL | 瑠璃 #/02qLiNA [ 編集]

瑠璃さん
受け取ってくださり、ありがとうございます。
見えない世界のことゆえに、勘違いや間違って受け取ることも有得ます。
私の分かるところでお伝えしていきますね(^^)
これからも楽しんでくださいねi-185
【2007/05/27 00:06】 URL | あかね雲 #- [ 編集]


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