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あかね雲 〜生きる意味〜
不思議な世界行ったり来たり???
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雨小僧 2
やがて妖怪たちは山の溜まり水の所に辿りついた。
溜まり水の周りはひっそりと静まりかえり、照りつける陽射しをきらめかせながら僅かに波を見せている。

『おーい、雨小僧はいるか?』
『日照りの中を申し訳ないが、出てきてはくれぬか?』
『頼みがあってきた、出てきてはくれぬか?』

山に妖怪たちの声が、木々のざわめきのように広がって行く。

『来てくれたか、山に来る鳥たちから話は聞いている。オレで役に立つのか?』

さすがに日照りの中に出るのは辛いのか、雨小僧はうっそうと茂る木々の中に埋まるように姿を見せた。
妖怪たちは顔を見合わせていたが、自分たちも雨小僧のいる木々の中に踏み込んでいった。
土は乾いているが木々の影に守られて、下草は緑を保っている。

『そうか、鳥たちから話を聞いているのならありがたい。』
『詳しい話しは聞いていない、奴らは噂話をするだけだ。皆が来ることだけを告げてきた。』
『里が日照りで困っているのは知っているだろう。』
『うん、知っている。』
『川の水も細くなってしまってな、そこで思いついたのが山の水脈だ。
 雨小僧なら山の水脈を知っているのではないか、知っているならば何とか川に水を引いてはもらえ
 ないかと思ってな。今日はそれを頼みに来たのだ。』

雨小僧は話を聞いて考え込んだ。
目を閉じて山を透かし見ているような感じを受けて、妖怪たちは黙って見守っている。

『分かったぞ、何とかなるようだ。
 いくつかある山の水脈を辿っていけば、川に水を引けるだろう。
 幸いなことに山の水脈は保たれている。今からオレがやってみる。
 皆は帰って川の水を見ていてくれ。川に水が戻ったら人間に知らせて、田んぼや畑に水を引かせてくれ。』
『ありがたい! 人間たちのことは任せてくれ。おい、帰るぞ!』

妖怪たちが帰ったあと、雨小僧は水脈を辿りながら、時折 トーン!!! と強く土を踏みつけている。

里に帰った妖怪たちは固唾を飲んで川の水を見守っている。
『おい、水が来たぞ、水がかさを増してきたぞ!』
『雨小僧がやってくれたな! おい、人間たちに知らせるぞ!』

妖怪たちは人間の間を廻って、村人たちの耳に川の水が増してきたことを告げてまわった。
見ずに敏感になっている村人たちは、急に川のことが気がかりとなり、こぞって川に駆け付けた。

「おい、川の水かさが増している。これはありがたい、さっそく畑に水をまこう!」
村人たちはてんでに桶を持ちだし、畑にまき、水甕に溜め、張り切って働き始めた。

「ありがたいな、誰かが助けてくれた。誰かは知らぬが、本当にありがたいな!」

村人たちの喜びと感謝の声を聞きながら、妖怪たちも笑顔となり山に行く鳥に雨小僧への伝言を預けた。
日照りはしばらく続いたが、雨小僧のおかげで川の水は涸れることなく、村人たちも救われていた。



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