あかね雲 〜生きる意味〜
不思議な世界行ったり来たり???
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役小角(えんのおづぬ)2
小角の話は続く。


『ワシは天狗たちと修行をして楽しんでいたが、身体に戻ろうとしたら体がない。
 どこを探しても、ワシの体がなかった。
 ふと横を視ると死神が立っている。それを視て、やっと気付いた。
 現世でのワシは死んでいたとな。』

「それで、どうしたのですか?」

『ウム、身体は年老いて普通に死んでいたのだが、ワシの魂は切り離されて
 自由に動き回っている。
 よほど珍しかったらしくてな、死神も困っていたものよ。』

死神が困る・・・私は吹き出してしまった。

『ワシは天狗たちと修行をしていたのだから、魂は幽界に居るのではない。
 いわゆる幽霊とは違っていたのだな。それで、死神はワシに選べと言う。』

選ぶ? 何を選ぶのだろう?

『霊界に帰るか、それとも天狗や妖怪たちの世界に残るかだ。』

ヒャァ~、そんなことを選べるの?

『普通の人間では無理だろうな。魂が幽界に居るしかないからな。
 しかし、ワシは力を使って妖怪たちの世界と深く関りを持っていた。
 その世界でも、力を使うことができていた。』

ふーん、やはり伝説に残る人だけのことはある。
普通の人間にはできないことをやっているのだ。
私は感心してしまった。

『霊界に行けば、次の転生のあることは分かっている。
 しかし、今と同じような力を使えるかと言えば、難しいことになるな。
 ワシはそのまま残ることに決めた。
 死神も承知をしたよ。
 幽霊となるのではなく、魂がそのまま妖怪の世界にとどまり、修行ができるとしてな。』

それで・・・今も修行を続けているのですか?

『そうだ。
 身体に戻る心配をしなくなっただけ、ワシはより自由になった。
 人間の歴史を視ながらこうして好きな修行をしたり、自由に飛び回って働きもしている。
 母者が生まれたことも知った。ワシで役に立つことがあれば、いつなりとも応じる。
 母者は、とうとう息子に会えなかったからな。』

私は胸がつまった、本当にありがたかった。
小角は手を差し伸べて私に触ると、フッと笑って去った。




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役小角(えんのおづぬ)1
皆さんの中で「役小角」を知っている方もいると思う。
歴史の中でもそれと知られる、超能力者であり霊能力者でもあると言う。
修験道の始祖となった人であり、様々な力を使って活躍したことが知られている。

私の前世で1回、役小角とご縁があった時代がある。
とは言っても私と直接の関わりがあったわけではなく、私の息子と関りがあった。
私が思い出した数少ない前世の中のひとコマがある。

「小吉~! コキチ~!」
と呼びながら、イタズラ息子を追っかけている姿、私の前を素早い動作で走って
逃げて行くのが小吉だ。

その子供の小吉が、役小角に弟子入りをした。
厳しい修行だったのだろう、私はそれ以後は息子に会っていない。
だから、私が思い出す小吉の姿は、いつでも子供の頃のままだ。
小吉の方は、影ながら私の姿を見に来ていたらしい。
会いたがる私の心情と会おうとしない息子の心を察して、小角が一度私に会いに来てくれた。

『母者よ、心配はいらぬ。
 小吉はワシがたしかに預かっている。
 厳しい修行にも耐えている。今は甘えたくなるから、母の元には帰らぬ。
 いつか修行の成った日には、会いに戻るだろう。それまでは我慢してくれ。』

小角の言葉が響いたのを覚えている。
私は小吉に会える日を待ちながら、とうとう会えないままに死んでいる。


数年前、役小角と縁のある神社で、小角と会うことができた。

『母者よ、懐かしいな。』

小角には私の姿が、以前の姿と重なった視えたので、分かったと言う。

「小角さん、こうして私の前に姿を視せるのは、霊界には行かなかったと言うことですか?」

いぶかしく思った私は聞いてみた。

『それがな・・・まだ生きている時であったが、ワシは魂を飛ばして天狗たちと駆け回っていた。』

魂を飛ばす・・・どうやら霊体離脱のことらしい。
普通の霊体離脱よりも、もっとすさまじいことをやっていたようだ。
私は、小角の言葉に聞き入った。



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ダンディな おじさま 2 デイジー編
***「ダンディなおじさま」現る!***

おじさまのことを思い出すのは
概ね凹んだ時だった。

仕事が思うようにいかない。
夫とケンカする。
子育てに悩む。
そういうときに
「おじさまぁ・・・」と、しゃくりあげる。

不安にさいなまれるときは
「手ー握っててー」とか、心でつぶやいて
地下鉄のホームでボロボロ泣いたこともあった。
今にして思えば・・・赤面もの。

誰かが傍にいてくれるということは、みえなくても心の支えになっている。
それも年長者で男性で頼りがいのある人。
凹んだ時ばかりで、ほんとに申し訳なかったですが
おかげさまで今日の私があります。

いつも私の(かなり)勝手な想像ばかりのおじさま。
思わず知らず、私の心にはいつも
「どんな人なんだろう、どんな姿なんだろう」という気持ちが
あったと思うんです。

あれは図書館に行った時でした。
原稿の資料を探して、本棚から本棚へ
検索した数字や記号を手がかりに
歩き回っていました。

そして、ある戸棚で立ち止まり、手に取っては確かめ
手に取っては確かめ・・・を繰り返していた時です。
ふと、右目の視界の片隅に、すごくきれいな服を来た人の気配を感じました。
私のしてることは、本を探し、手に取って、内容を見る、ということで
目の動きも基本的にはそれなのですが
視界の端にその美しい気配を感じたとき、
見やったわけではないのですが、現代の服ではないという感覚がありました。
男性だということもわかります。
でも、上半身から膝辺りまでの光沢あるグリーンのような
織物を着ている人なのです。

「あれ、誰かいる。きれいな服。男の人なのに・・・」
そう思ってぱっと見ると、そこには誰もいませんでした。
「誰もいないか」
と、また視線を本棚に戻しました。
「・・・え? いないの?」
振り向くと、ほんとに誰もいません。

あれれれれれれれれれれれれれれれ?

「・・・ってなことがあったんですよ~。
 もしかして、おじさま?」

電話の向こうでかとうさんが笑っていました。

「そうみたいよ~」
「それにしても、本当にきれいな服を着ていらっしゃって。
 じっくりみたわけじゃないけど、漂ってる雰囲気が
 すっごくいいかんじでした~」
「そうよ、とってもオシャレなのよ」

昔の人っていうと、それだけで頭の中が白黒になってしまう。
飛鳥時代なんていうと、もう「墨」「線画」になる。
でも、右目端に現れたおじさまは、
カラーで立体だった。というか、画じゃなくて「人」だった。

「おじさまは、本当に一緒にいるんだ」

                          つづく


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

このダンディなおじさまTさんは、本来なら霊界に戻るところなのだが、
何やら死神さんと話し合ったらしい。

「霊界に戻って、次の転生に備えたらよいのでは?」
との私の問い掛けに

『いや、そうすると数百年先でないと生まれられない。
 ワシは今のこの世の中の動きを見ていたい。
 ワシで役に立つことがありそうだから、この世に残ることにした。』

ふーん、そうなんだ。
死神さんとは、どんな話をしたのかな・・・?

Tさんはニヤリと笑って私を視る。

『姉の手伝いをするということで、話の折り合いがついた。』

そんなことで、霊界に戻るのを先延ばしできたの~? オドロキ!
それで、霊界にはちゃんと戻れるのかな?

『姉の人生が終わるときに、一緒に連れて行ってもらうことにした。』

へぇ、特別処置、特別待遇ではないの?

『そうかもしれんな。まぁ、手伝いをするのだから、良いではないか。』

と言うことで、そうかと言って私と一緒に居ても手伝うことはないからと、
側面援助ということもあり、デイジーと一緒にいることを望んだTさん。
いろいろと動いている様子でもあり、これからが楽しみでもある。





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幽霊2
「霊界に行かずに幽界に残った魂は、ずっと幽霊のままで幽界に居るの?」

『そう言うことになるね。
 姉さんが視た導師の幽霊も、そうだったでしょう。』

「うんうん、Hさんが亡くなって転生するまでには、数百年かかったと思う。
 幽界には時間の流れがないのと同じだと言うから、幽霊はほとんど何も感じないの?」

『うーん、ボクたちは実際には幽界には行けないから、幽界の時間の流れと言うのは
 分からないよ。ただ人間に憑いていたり、彷徨っている幽霊を視ると、時間の流れや
 時代の流れに気付いていないと知ることが多いね。』

幽霊の「時」は死んだ時のままに、止まっている・・・幽霊にとって時間は流れていない。

「だから導師はHさんの転生が分からないのね。」

『うん、導師にとっては、霊界に行っている間のHさんは見えない。
 どこに行ったのだろう? くらいにしか思わない。
 だけど、Hさんが生まれてくれば、Hさんの魂の波動を現在の時間の中に
 感じることができる。波動を感じるからHさんの魂を探すんだ。
 そして探し当てると、そこに視るのは自分が知っている時代のHさんなんだよ。』

「導師には、今のHさんではなく、前世のHさんの姿に視えているのね。」

『うん、そうだよ。
 今の姿で視ようとしない。それも幽霊なんだ。』

「でも、導師は気付いたわよ。」

『それは姉さんが話をすることによって、導師に教えたからだよ。』

「私が教えたの?」

『そうだよ、Hさんの魂が決めてきたことを伝えたでしょう。
 それで導師が、何か違うということに気付いたんだ。』

「気付いたから、導師は今のHさんの姿を視ることができたの?」

『そうだよ、気付いたから、自分で今のHさんの姿を視て、心を知ることができた。』

「だから、導師が変わったのね。」

『うん、だから救われたとも言えるね。
 霊界への案内が再び成されたんだから・・・。』

霊界へと帰れば、次に向けての転生の準備ができる。
魂の目的とする、成長への道が再び開ける。
魂にとっては、何よりの喜びとなるだろう。

私も心残りのないように、やりたいことをやっておこうっと!!!



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心ってさぁ・・・
心ってさぁ 本当は とーっても大きいんだよ

心ってさぁ 本当は とーっても広いんだよ

心ってさぁ 本当は とーっても深いんだよ


心にはさぁ いろいろな思いがあるんだよ

心にはさぁ 本当にたくさんの感情があるんだよ

心にはさぁ 隠したいこともあるんだよ 


心はさぁ 見せたくても見せられないんだよ だから知りたがるんだね 

心はさぁ 傷つきやすいんだよ だから傷つけられたくないんだ 

心はさぁ 柔らかいんだよ だから鎧で守りたくなるんだよ


人間の心ってさぁ とーっても大切なものなんだよね

生きていくうえで とーっても大切なものなんだよね

だって 心があるから動きたくなるんだもの




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ご縁
9月1日 神戸に向けて出発。

2日、神戸のスピコンに出展する。
おかげさまで「あかね雲」のブログを読んでいる人たちが来てくれて、私は感激するばかり!
合計で17人の人たちに、応対をさせていただくこととなった。
少しでもお役にたてれば嬉しいことだ。
残念ながらお会いできなかった人たち、本当にごめんなさい。
でも、来てくださったこと、本当にありがとうございました!!!



4日午前1時半のフライトで、仲間たちとネパールに向かった。

ネパールで私たちは何人もの人たちに会い、様々な経験をさせてもらった。
嬉しいご縁で、新たにタマラ・ヒーラーさんが9人も誕生した。


『縁も自分の道にちゃんと置いてあるの。
 その縁を自分で拾うか、拾わずに通り過ぎるか、それも人間の選択することなのよ。』

同行してくれていたニポの言葉。

『人間はね、全ての縁も自分の為に用意してあるの。
 自分で用意しているから、本当の出会いがあり成長ができるのよ。
 要は、用意してきている縁を取るか、取らないかの選択なの。』

自分で用意しているご縁なのに手に取らない・・・勿体ないよね。

『ある縁を取らなければ、また他の縁もあるわ。』

「それでも良いのね。」

『自分の作った人生プログラムだもの、全ての選択は自由よ。
 どの縁を取ろうとも、どの道を歩こうとも、間違いの人生は無いのよ。』

「ご縁を取るかどうかによって、何が違うの?」

『本当の成長ができるかどうかの違いが、縁の違いから出てくるわ。
 せっかくの縁を目の前に示されても、それに気付くかどうかと言うこともあるし、
 その人の生き方や考え方によっても、縁を取るかどうかが違ってくるでしょう。』

そうなんだ・・・。

『お姉さんも自分の縁は、ちゃんと自分で拾って来ているのよ。良かったわね!』

ニポはニコリと笑ってくれた。



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もうひとつの神話 神界見聞録
           守護の館 8
 

「ここは守護の館と呼ばれているからには、やはり武器はあるのですか?」
私は自分の興味から、思わず聞いていた。

『あります。ご覧になりますか?』

とツブラヒコはひとつの扉を開けた。
そこはやはり広い部屋になっており、剣や槍 鎧などが整然と並んでいる。

「このようなもので戦うのですか?」

現在の銃やミサイルなどの存在を知っている私の目には、
これらの武器はいかにも時代遅れのもののように見える。

『確かに形としてはそうなのですが、実際に使われるのはすべてエネルギーです。
 形はどのようなものでも良いのです。我らが使いやすい形にしているだけです。』

「なるほど。エネルギーを使うのなら、それはレーザーと同じようなものなのでしょう?
 それなら軽い扱いやすい形のもので良いわけなのね。実際に使うこともあるのですか?」

『残念ながら・・・あります。時には攻撃から守らなければならないこともありますから。
 見えなくても感じなくても、魔の中にはわずかですが、
 『ここに存在する』ことを知っているモノもいるのです。
 たまにそれが指揮するモノが、攻撃をしてくる事があるのです。』

 苦渋の表情を浮かべて語るツブラヒコに、私はそれ以上のことを聞くのは止めにした。
 いずれまた、『魔』の存在について聞くこともあるだろう。

『そろそろ次の館へ参りましょう。
 ツブラヒコ、案内ご苦労様でした。』

ミヤヒメの言葉に、ツブラヒコは軽く頭を下げ、数歩先にある扉へと案内した。
扉は軽やかに外側へと開き、そこでツブラヒコは笑顔を見せると、二人を送り出すのだった。

「ありがとうございました。
 イリヤウチノミコトへも、『ありがとう』とお伝え下さい。」
 
『かしこまりました。
 また、いつなりとお出で下さい。』

深く頭を下げて見送るツブラヒコに笑顔で応えて、二人は守護の館を後にした。
ミヤヒメは私の方を振り向くと、ニッコリ笑って言った。

『さぁ、次の館へ案内をしましょう。』

次の館・・・それはどのような館なのだろう。
そこには、何があるのだろう。
私の興味は尽きなかった。



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もうひとつの神話 神界見聞録
           守護の館 7


窓の外には白砂が広がっている。
その先は豊かな草原が広がっており、所々に花が群れて咲いている。
草原の向こうはみごとな森林のようになっており、どこまでも清らかな空間が続いているようだ。
この館に入る前に聞いたのと同じ鳥の鳴き声がする。
その声は高くなったり低くなったりを繰り返し、何事かを伝えようとしているようだ。
耳に心地よいその声を聞きながら、

「あの鳥は何という鳥なのですか? 
 まるで何かを伝えようとしているように聞こえるのですが・・・。」

私はツブラヒコに聞いてみた。

『あの鳥は紫鳳鳥と言います。
 あなたのおいでを知り、歓迎の挨拶をしているのです。』

「私? 私がここに来たことへの挨拶ですか?」

『そうです。
 あなたがこの館に入られたのを知って、紫鳳鳥は歓迎の歌を歌っているのです。』

ミヤヒメに見つめられたツブラヒコは、そう答えたのだった。

ツブラヒコの説明を初めてのものとして聞きながら、
私は奥深くで『知っている』事を感じていた。
そのことを話そうとミヤヒメの方を向いた私は、その目に合ったとたん、
口に出さずとも良いことを知った。

「ツブラヒコさん、このように大きな館だと、外のどこからでも見ることができるのでしょう?」

『できますが、見えませんよ。』

「えっ? どういうことなのですか?」

訝しげに聞く私に、ツブラヒコは説明を続けるのだった。

『この館は、先程もお話しましたように、この建物自体が守護の館になっています。
 この館の内側にあるのが 高天原 なのです。
 したがって、ここにはすべて結界が張られています。
 この結界により、必要のない者にはまったく見えません。
 見えなければ、そこには何もないのと同じなのです。
 高天原に入ることを許された方にしかここは見えず、存在しないのです。』

「私はここに入ることを許された人間なのね・・・。」

私は一種の感慨を持って、この言葉を噛みしめていた。



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今日まで留守にしています。

その間「もうひとつの神話」を掲載します。
楽しんでいただければ、嬉しいです。

コメントへのレスや、霊視相談への返信は帰宅してからになりますので
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どうぞ、ご了承いただけますように、よろしくお願いします。

皆様、よき日々をお過ごしください。



もうひとつの神話 神界見聞録
           守護の館 6


それを受けてミヤヒメは言葉を返した。

『ひとり案内を用意していただけませんか?
 私はこの館の全てを知っている訳ではありませんので・・・。』

『そうだな。ツブラヒコに案内をさせよう。』

イリヤウチノミコトが言うか言わないかのうちに、左側の扉が開き年若い男性が姿を現した。

やはり筋骨逞しい男性で頼りがいのありそうな感じである。

『ツブラヒコ、この二人を館の望む所、どこにでも案内するように。』

『はい、畏まりました。
 ツブラヒコと申します。
 お二人の、ご案内をさせていただきます。』

二人のほうに向き直ったツブラヒコは、しっかりと目を見て挨拶をするのだった。
白い筒袖の上着に、裾を絞ったズボンのようなものを穿いている。
その上に簡素な黒い鎧のようなものを付けている
腰にはやや長めの剣を差し、両方の手首に巻いた紅い紐が印象的だった。

イリヤウチノミコトに暇乞いを告げ、二人は案内役のツブラヒコの後に従って部屋を出た。
広い廊下とも部屋ともつかぬ所を幾つも通り抜けながら、
ツブラヒコはこの館の必要性を語っていった。

『この館は、行けども行けどもきりがありません。
 このような部屋がずっと続いています。
 高天原全部を囲っていると申し上げても良いくらいです。
 この館そのものが、高天原を守護しているのです。
 外から来た者はすべて、お二人が入られた正面から訪れるようになっています。
 それ以外のどこを探しても入り口はありません。
 ミヤヒメ様は軽々と扉を押して入られましたが、
 許しがなくては、あの扉はどうやっても開くものではありません。』

そう語りながらツブラヒコはつと手を伸ばし、壁の一部を軽く押す。
押された所は音もなく外側に開き、そこはひとつの窓になっていた。

『今までこの館には窓が無いのかと思っていました。外を見ることはないのかと・・・。』

私の言葉に、ツブラヒコは微笑んだ。

『外側を見ることはできますよ。手を触れればそこは自在に開きます。
 試してみますか?』

言われて私は、目の前の壁に軽く手を当ててみた。
ふと何か動く感触があり、なおも力を加えると、そこからは何の抵抗もなく腕を伸ばした分だけ、
壁は四角に区切られて外側へ開いていくのだった。

「わぁ、不思議、窓になったわ。」

『もう手を離しても大丈夫ですよ。勝手に閉まることはありませんから。』

そっと手を離して壁が開いたままであることを確かめると、私はそこから外を眺めることにした。



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もうひとつの神話 神界見聞録
           守護の館 5


私は改めてイリヤウチノミコトに向き合うと、問い掛けてみた。

「イリヤウチノミコトは私がここで初めてお会いした方なのですが、
 それには意味があるのですか?」

『やっと私のことにきたな。
 ミヤヒメに聞いたであろうが、この館は守護の館と呼ばれており、
 高天原の入り口になっている。
 高天原に来た者達は、誰であれこの館の入り口から中へ入ることになっている。
 高天原に入ることを許された者は、扉から自然に奥へと入って来られるが、
 そうでない者には扉は決して開かれない。
 この館自体が、入れる者と入れない者とを選び分ける。
 高天原に対して邪な心を持った者は決して入れない。
 それゆえに 守護の館 と呼ばれておる。
 そして私はこの館の主だ。したがって私はこの高天原を守護する役目を担っている。』

「邪な心を持った者・・・とおっしゃいましたが、高天原に害を為す者がいるのですか?」

『居る。野望を持った人間がそうだ。神になろうと、なりたいと目指す者がいる。
 次元が異なるので、勿論肉体を持ったままでは、ここへは来ることはできない。
 しかし、中には意識体となって無理矢理に次元を越え、押し掛けてくる者がいる。』

「そのような人は、ここまで辿り着けるのですか?」

『いや、そのような者の意識は波動の中に全てが現れている。
 そのような波動が近付いた時には、この館は自然と扉を閉ざす。
 するとここ高天原全体に結界が張られて、その者はここを感知することができなくなる。
 見えず感じず、したがってその者にはここは存在しないことになるのだ。』

「まるで侵入者に対するアンテナやレーダーが、ここにはあるようなものですね。」

『ハハ・・・、そうだな。
 人間はやはりいろいろなものからその身を守る為に、そのようなものを発明し使っている。
 元来はその役目は、人間の目であり耳であった。
 今はより遠くのもの、より多くのものを知ろうとして、機械を使っている。
 それも文明の発展に伴い、進歩してきたものだ。』

「その他にもここを訪れようとするものがいるのですか?」

『いる。それは『魔』と呼ばれているモノだ。』

「魔・・・と言うと、私は悪魔くらいしか思い出さないのですが・・・。」

『悪魔と呼ばれているモノもいる。魔 は我らと同じ次元に住む。
 彼らにとって、ここの存在、我らの存在は邪魔なものなのだ。
 我ら『神』と呼ばれている者と、彼ら『魔』と呼ばれているモノは、
 人間の存在を挟んで敵対している。
 人間に対して望む所が異なるのだ。
 もっと多くのことを聞きたそうな顔をしているな。しかし、これより先の詳しい事は、
 もっと他の者に聞くことになる。
 今おまえはこの守護の館の事を見聞すれば良い。一度に全てを知ることはない。』

そう言うと、イリヤウチノミコトはミヤヒメに向かって軽く頷いて見せた。



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9日まで、留守にしています。

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もうひとつの神話 神界見聞録
           守護の館 4


『そうだ、まさにその通りだ。
 遠い昔、人々は我らの事を良く知っており、
 生活の中で当然のごとくにそのまま我らと交流しておった。
 人々は我らを『神』と呼ぶ。
 我らは人々が生きていく上で必要な知識を与え、生きていく事を保護してきた。
 人間は自分の望みを『祈り』という言葉に載せて我らに伝える。
 それを聞き、叶うように力を貸すのが、我らの仕事であり役目であるからだ。
 今このような姿で見せてはいるが、我らには人間の世界では肉体がない。
 しかし、意識すれば人間の世界でも肉体を持った姿を見せ、触れることもできる。
 赤子が生まれると『この子がすくすく育つように守って下さい』と挨拶に来る。
 昔は挨拶に来る赤子、ひとりひとりを抱いて祝福したものだ。』

「今もその習慣は残っています。
 私も生まれて1か月の時に、近所の神社にお宮参りに行った、と母に聞かされています。」

『うむ、その時に祝福した者にもやがて会うであろう。』

「今はもうお姿を見せないのですか?」

『人間が自分たちで助け合い、協力して、知恵を出し合い生活をするようになった頃から、
 我らは直接の手出しをするのを止めた。人間が自分たちの力で生きることを覚えたからだ。
 しかし、姿は見せずとも、我らのいることを感じており存在を知ってもいる。
 また知らなくてもそう信じている者もあるし、意識では信じていなくても、
 転生を繰り返している魂は知っている。
 だから人々は、やはり希望を言葉に載せて我らに伝える。
 我らは今でもその言葉を聞き、力を貸しているのだ。』

「私も『苦しい時の神頼み』をしています。」

この言葉にイリヤウチノミコトは大笑いをした。

『人間の得意とするところだ。悪いとは言えまい。
 その時は必死になって言葉に載せて来る者もいる。
 しかし、そのような事はこれから出会う者達に、おいおい聞いていけば良い。
 それぞれの役目があるからな。』

「そうですか。それでは次に会う方への質問として、とっておくことにします。」

イリヤウチノミコトは、私の言葉に頷いている。



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もうひとつの神話 神界見聞録
           守護の館  3


右側の扉が開きそこから現れたのは、筋骨逞しく大きな男性の姿である。
顔つきは厳ついがにこやかな笑みを浮かべて、畏まって座っている私を見ている。
二人の前に座ったイリヤウチノミコトに、ミヤヒメは軽く手を突いてお辞儀をする。
慌てて私も、深くお辞儀をした。

『来たか。ご苦労だな。』

と語りかける声には深みがあり、なぜか私は懐かしさを感じていた。

『そうか、ミヤヒメが案内に立ったのだな。うってつけであろう。』

と語りかけるイリヤウチノミコトに笑顔で頷き、ミヤヒメはよく通る声で応える。

『この人にこの館を案内したいのです。
 そのお許しをいただきたくて参りました。』

『何の遠慮がいろうか。この者にこの世界の全てを見せることは、はるか昔に決めていたこと。
 今 その時が来たということだ。我らにとっても喜ばしいことではある。
 この館の全て、その意味までも案内し教えるが良い。
 おまえも、何か望みがあれば言うておきなさい。』

促されても、私には何も思い浮かばない。

『いきなり言われても無理かもしれません。おいおいに希望も出てきますでしょう。
 その時々にお願いすることといたしましょう。』

代わりに応えるミヤヒメを見つめて、イリヤウチノミコトは笑い声をたてた。

『この館はどうだな?』

問われて私は戸惑いながらミヤヒメを見るが、軽く頷かれてイリヤウチノミコトの方を向く。

「どう? とおっしゃられても・・・。
 正直なところ、私はまだ私の状態が掴めていないのです。
 私は部屋にいました。そこにミヤヒメが現れ、ここまで連れて来てくれました。
 そしてここは『高天原』だと教えてくれました。
 大杉のお爺さんにお会いして、私にここの全てを視て聞いて感じて、体験しておいでと・・・。
 やがて人に知らせる役目があるのだと・・・。」



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もうひとつの神話 神界見聞録
           守護の館 2


そこはこぢんまりとした部屋で、すでにそこにはまるで分かっていたかのように、
着物が一揃い用意されていた。
ミヤヒメに手伝ってもらいながら、私は着替えを済ませた。
淡いピンクの沙のような着物はとても軽く、私にピタリと合い、
鏡に映してその姿を見たいと思ったほどだ。
しかし、その部屋にはただ着物が用意されていただけで、1枚の鏡もなかった。

部屋から出たミヤヒメは、まっすぐに奥に向かい歩を進めて行く。

次の扉も、ミヤヒメの一押しで軽く内側に開いていく。
前と同じ様な部屋で、そこも光に溢れ木の香りに包まれている。
同じ様な部屋を3つ通り抜け、次のとびらを開けると、そこはやや狭い部屋になっており、
木の床の上には座り心地の良さそうな円座が3つ置かれている。

そのひとつに私を誘い、ミヤヒメはその隣に座った。
やがて左手にある衝立の奥から若い女性が現れた。
両手にお盆を捧げている。
ミヤヒメと私の前に座り深々とお辞儀をして、そっとこぶりの茶碗を膝の前に置くと、
可愛い笑みを残して女性は静かに立ち去って行った。

『喉が乾いたでしょう、どうぞお飲みなさいな。』

ミヤヒメに言われて、初めて喉の乾きに気付いた私は茶碗を手にとった。
白い茶碗の中身は薄い緑のお茶のようで、白い花びらが浮いており良い香りがしている。

「美味しい!」

その味の良さに、思わず私は声をあげた。
茶碗を置いた私は
「訳も分からず黙って付いてきたけど、これからお会いするのはどなたでしょうか?」
と気になっていたことをミヤヒメに聞いてみた。

『そうね、元々は名前などはないのだけれど、
 あなたが呼びやすいように、覚えやすいようにお名前を教えておきましょう。
 この館の主でもあり、高天原の入り口を守護している イリヤウチノミコト と言う方です。
 あなたが1番初めに会う方ですね。
 この館が高天原への本当の入り口になります。ご挨拶をしておきましょう。』

その言葉が終わるのを待っていたかのように、右側にある扉が音もなく開かれた。 



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もうひとつの神話 神界見聞録
           守護の館 1  


ミヤヒメに促されたような気がして、私は目を開けた。
そこはどこまでも広い大地で明るい草原になっており、あちこちに草花が咲き乱れている。

「ここは、どこなのでしょう?」
『人間の言う、高天原です。』
「高天原・・・ここがそうなのですか?
 私の知識では、神々の住まう場所、ということくらいなんだけど・・・。」

『そうですね。人の言葉では 神々 ということになるでしょう。
 人間の住む所とは次元が異なっているのです。
 こちらから人間界へは行けますが、向こうからこちらへ来るのは容易ではありません。
 さぁ、こちらへ・・・。
 あなたはこの高天原を知るため、見る為にここを訪れているのです。
 そしてここの本当の姿を、今の世の人々に知らせるのです。』

ミヤヒメに従って歩きながら、私は周りを見渡していた。
幼い頃に遊びに行った、母の実家のある田舎の風景に良く似ている。
ただ田舎と違うのは、畑や田圃のないことだった。

やがて木々に囲まれた大きな屋根の建物が見えてきた。
造りは神社に似ているが、鳥居や注連縄が見あたらない。
正面に向かうと、そこは清らかな白砂で埋められ、
薄い灰色の石畳がその建物の入り口へと続いている。

ミヤヒメはまっすぐにその建物の入り口へと向かっている。
何という鳥なのか、姿は見えず鳴き声だけが聞こえる。とても澄んだ声で耳に心地よく響く。

近付くとそれは、思っていた以上に大きな建物であった。
どっしりとした木の柱が、重そうな茅葺きの屋根を支えている。
ミヤヒメが木の扉に触れると、それは以外に軽やかに中に向かって開いて行く。
しわぶきひとつしない静寂に包まれた建物の中ではあったが、
どこから入るのかそこは光に溢れている。
天井は高く広い床はみごとに磨き込まれて、濃い木の色に光っている。
かすかな風の動きに思わず周囲を見回したが、窓は何も見あたらない。
すべて木の壁になっている。
建てたばかりのような、木の香りに包まれた部屋の中であった。

足音も立てず歩くミヤヒメに付いて行きながら、私は自分のソックスを履いた足下を見つめ、
(こんな姿で神様に会うのかしら? 着替えてくれば良かった。)
と、ブラウスとパンツの自分の姿が急に気になり、思わず苦笑をした。

「ミヤヒメ、私 このままの格好で良いのかしら。
 なんだかとても失礼なような気がしてきたわ。」

そんな私を見やり笑いを浮かべたミヤヒメは、

『そうね、気になるのなら着ているものを替えましょうか? 
 あなたはどのような姿がお望みなのかしら?』
「あーっ、では、ミヤヒメと同じ様な着物をお願いできるかしら。」
『そうね、じゃぁ そうしましょう。こちらへ。』

ミヤヒメはまっすぐに進めていた歩を、右側の扉へと進めて行った。



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もうひとつの神話 神界見聞録
          約束のとき 2


やがてミヤヒメは私を1本の巨大な大杉の前に連れて行った。
樹齢数千年はあろうかと思われる杉、高く高く伸び、なおも勢い良く枝を広げ葉を茂らせている。
杉に近付くほど、その空気が透き通り冷たいものになっていくのを、私は気が付いていた。

『ここであなたは、あるお方と会う約束になっています。
 その方からお話を聞いて下さい。』

と言うとミヤヒメは後ろに向いた。
その瞬間に ミヤヒメの姿は見えなくなっていた。
私は慌てて追いかけようとしたが踏みとどまり、「あるお方」を待つ気になった。

大杉の高さを見極めようと上を見上げたが、その枝はどこまで続いているのか、
上へ上へと伸びており、首が疲れてきた私は顔を元に戻した。
その瞬間ミヤヒメが姿を現し、その後ろには一人の老人の姿があった。
やや小柄で厳しい顔つきではあったが、柔和な目をしている。
笑いかけられると、とても温かい感情を覚えた。

『来たか。』

近付いて来たその老人から親しげに話しかけられ、私は思わず赤面してしまった。

「すみません、どなたなのでしょうか? 私は何も覚えていないのです。」
『ハハハ・・、良い良い。無理に思い出そうとせずとも良い。
 我は『大杉の爺』と皆に呼ばれておる。このことだけを今から覚えておくように・・・。』

と言うと老人は両手を広げ、そこから何かを送り出す仕草をした。

清々しい冷たい風が全身を包み、私は心も体もすべてが洗われ清められたことを感じた。

『約束の時が来た。ミヤヒメがおまえを迎えに行き、これからお前の行くべき所へ連れていく。
 そこがどのような所なのか、しっかり視てくるが良い。
 おまえが見聞きしたことを覚えておくように。
 いずれそれを世の人々に知らせる時が来るであろう。
 どこへ行こうとおまえであることが分かるように、これをあげよう。
 左腕にはめておきなさい。』

そう言って大杉の爺は、金色に輝く腕輪を渡してくれた。

「素敵なブレスレット、これを頂いても良いのですか?」

掌に載せて眺めていると横からそっと手が伸びて、ミヤヒメが受け取り左腕にはめてくれた。
はめた途端それは重さがなくなり、私の身体の一部と化したようだ。
付けているのを忘れるくらいで、何度も何度も私は自分の腕を見ては、
そこにブレスレットがあることを確認した。

『ミヤヒメ、今から連れて行くが良い。
 お前は行く先々で歓迎され、多くのことを教えられ、また見せてもらえるだろう。
 全てを知り、体験し、感じておいで。さぁ、この旅を楽しんできなさい。』

「エッ、旅なのですか? いつまで?
 私 何も用意していないし、行くかどうかもまだ決めてない・・・。」
 
そんな私にミヤヒメは笑いかけながら言う。

『何も心配はいりません。すべて手配済みです。
 行くかどうか・・・と言うのは、今のあなたの意識です。
 あなたの魂はすでに行くことを決め、約束して生まれてきているのですから。
 今までの言葉に、何も感じませんでしたか?』

「そう言えば・・・、『この日を待っていた・・・』そんな思いと、
 ワクワクするような気持ちがありました。
 じゃぁ、この事は私が自分で決めてきた事なのですね。」
 
私は納得して、大きく頷いた。
ミヤヒメは私に近付き、軽く腕に手をかける。
また先程のように、ミヤヒメの周りの風を私も感じて、思わず目を閉じていた。



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もうひとつの神話 
 
        もうひとつの神話

         神界見聞録

          約束のとき 1


ある秋の日私は心地よい風を感じながら、本を読んでいた。
ふと カーテンが風にそよいだような気がして目を開けた。
目を向けたその先には、青い空が広がっている。

「きれい・・・」

「ん? なに?」

そう思った私の目に飛び込んできたのは、羽衣のような白い着物に薄いピンクの
上着を付け、綺麗に髷を結った若い女性の姿だった。

「エッ、どこから来たの? なぜ ここに居るの?」

軽く微笑んだその顔はとても美しく、馥郁とした香とともに私を優しく包んでくる。
思わずうっとりと見取れていたが、ハッと我に返り改めて質問をした。

「あのぉ、どなたなのでしょうか? 
 ここは私の部屋なんですけど、どこからいらしたのですか?」

私の質問に、女性は軽く笑い声をたてた。

『私はミヤヒメと申します。
 あなたとの約束により、ここに迎えに来ました。』

「エッ? 私との約束? 何ですか、それ・・・。
 申し訳ないけど、私はあなたに、・・・ミヤヒメさんですか?
 あなたに会ったことはないし、何も約束をした覚えもないんですけど・・・。」

訳が分からないという表情をしている私に、ミヤヒメは話してくれた。

『そう、覚えていないのですね。
 これは、あなたが生まれる前からの約束なんですよ。
 あなたが32歳になった時、私は貴方をある場所に案内する為に訪れる、
 ということを貴方の魂と約束していたのです。』

「私の魂と約束? 生まれる前?」

私の思考は混乱しながらも、心の奥深い所では
「待っていたこの日が来た・・・。」と
妙にワクワクするような感覚を覚えていた。
見つめる私に変わらず優しい微笑みを浮かべながら、ミヤヒメは衣を軽く風になびかせていた。
ふと気付くと、ミヤヒメの周囲だけいつも軽い風が吹いているようだ。
自分の周りには風が吹いていないことを、私は確かめた。

「あなたは人間なのですか?
 着物も髪型も、なんだか大和時代の衣装を見ているみたいで・・・。」

『私はこの姿が好きなのです。
 自由に変えられるのですが、今はこの姿でいたいのですよ。いかが?』

ミヤヒメはいたずらっぽい目になって、クルリと回って見せた。
衣は幾重にもなって翻り、その美しさを惜しげもなく見せて、そこからなのか、
馥郁とした香はなおも広がってくる。

つと ミヤヒメは私に近寄ってきた。
気付くと、私もミヤヒメの周りに吹く風の中にいる。
爽やかな心地よさをもっと感じたくて、私は思わず目を閉じていた。
ミヤヒメは、そんな私の腕に軽く手を触れている。

何か話しかけられたような気がして、私は目を開けた。

微笑んだミヤヒメの顔が、目の前にある。
それに微笑み返そうとして、ふとミヤヒメの後ろの風景が目に入り、一瞬私の目が釘付けになった。
慌てて当たりを見回すと、そこにはただ緑の風景が広がるばかりである。

「ここ、どこ? 
 私の部屋じゃない。今まで部屋の中にいたのに・・・」

それには答えず、ミヤヒメは私の腕をとりながら、緑の続く中を導いて歩き出した。
青い空に吹く風は少々冷たいが爽やかで、私は訝しく思いながらも空気の心地よさを楽しんでいる。
思いがけない事が続いているのに、もっと驚きそうなものを、どこか落ち着いて楽しんでいる、
私は不思議な気持ちでいた。


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9月1日から9日まで、留守にします。

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